和田智志教授が日本AEM学会著作賞を受賞

成果概要

2008年11月22日

応用化学科の和田智志教授が日本AEM学会の「日本 AEM学会著作賞」を受賞し、2008年11月21日に茨城県日立市で行われた日本AEM学会において表彰された。
この賞は、その年に発行された機械デバイスに関わる基礎教育、および斬新な研究分野に関して重要な貢献をした著作に対して贈られるもので、日本AEM学会会員が対象となっており、著作賞部 門は毎年2件採択される。

受賞著作「無鉛圧電セラミックス・デバイス」において、和田教授は、ドメイン構造の界面という構造が不連続になる境界面において生成する「構造傾斜領域」において、予測できないほどの巨大な圧電特性が発現することを記述した。これは従来の材料科学が単位格子の対称性とそれに含まれる元素の種類により物質全体の物性が決まり、予想通りの物性しか得られないのに対し、結晶構造が連続的に変化する「構造傾斜領域」では、そこに含まれる元素に依存せず、その傾斜構造から外場に対して大きな応答を期待することができ、新しい材料開発を切り開く大きな武器となることが認められ、今回の受賞となった。

和田教授は、「構造傾斜領域」に基づく材料科学は、従来の特定の元素に頼った材料科学では達成できなかった巨大物性を発現することができ、しかもこの「構造傾斜領域」を人工的に作り出すことが可能です。これからはこの「構造傾斜領域」に基づく巨大物性を持つ新しい材料科学の発展に努めていきたい」と話している。

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