大学院生の細井さんがポスター賞受賞

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2013年02月05日

 大学院医学工学総合教育部応用化学専攻2年生の細井和也さん(指導教員:鈴木章泰教授)は第21回ポリマー材料フォーラム(場所:北九州国際会議場、会期:平成24年11月1日~2日開催)において、「巻取型炭酸ガスレーザー超音速マルチ延伸装置で作製したPETナノファイバーシートについて2」と題する発表で優秀発表賞を受賞しました。

 ポリマー材料フォーラムは高分子学会が主催する研究発表会であり、産学協同を目途とした材料に関する研究発表と交流のためのシンポジウムで、高分子材料の応用に関する最先端の研究を発表する場です。今回のフォーラムでは、審査対象151件の中から、11名(大学:3名、企業など:8名)が優秀発表賞に選ばれました。まず、審査は大学教員および企業の研究員から構成される審査員団により行われ、4つのセッションから候補者が選出されます。次に、優秀発表賞選考委員会で厳正に審議され、各セッションの候補者の中から受賞者を決定します。発表者は審査委員や参加者を前にして10分間(発表:7分間、質疑応答:3分間)発表し、研究の内容、ポスターパネル表示のわかりやすさ、プレゼンテーションの良否、質疑応答の対応などを総合的に評価されます。本フォーラムで優秀発表賞を受賞したことは、細井さんの研究推進能力および発表能力が、最先端材料の開発・研究を行っている企業の第一線で活躍する研究員と同等以上であると評価されたものです。

 炭酸ガスレーザー超音速延伸法は、鈴木研究室で独自に開発されたナノファイバー作製法で、亜音速から超音速領域の空気の流れの中で、繊維に炭酸ガスレーザーを照射して部分融解させ、溶融した繊維を数十万倍まで超延伸して、ナノファイバーを作製する方法です。ナノファイバーは、繊維径が1μm以下の超極細繊維であり、エアフィルター、水処理用フィルター、電池用セパレーターなどの産業分野、組織再生用足場や人工血管などの先進医療材料分野において、先端技術を支える素材として注目されています。本方法は、既に量産化技術が確立されている複合紡糸法やエレクトロスピニング法に比べ、溶剤を使用しないために安全性の高いナノファイバーを作製することができ、環境への負荷がありません。本発表は新規なナノファイバー作製法としての炭酸ガスレーザー超音速マルチ延伸法の実用化の可能性を示唆するものであり、学術的のみならず、産業的にも期待される技術です。

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