【学大将プロジェクト】『工学教育に関するシンポジウム』を開催

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2012年12月25日

 文部科学省理数学生応援プロジェクト「統合能力型高度技術者養成プロジェクト―自発リーダー(学大将)を生む環境作り―」の一環として、山梨大学が主催、山梨県、山梨県機械電子工業会、山梨工業会の共催によるシンポジウム「社会が工学部教育に望むこと」を、本学教職員・学生、県内外の産業界、卒業生、他大学及び工学部後援会、保護者、高校教員、卒業生の方々約130名が集い11月29日(木)に開催しました。

 前田秀一郎学長による主催者挨拶に続き、来賓の板倉周一郎氏(文部科学省科学技術・学術政策局基盤政策課長)からのご挨拶。伊藤源嗣氏による「産業界(製造業)が工学部教育に望むこと」と題した基調講演が行われ、新入社員のオフジョブトレーニング前・後・3年後の基礎学力試験の結果、およびその上司に対するアンケート分析結果に基づき、工学部卒業者には数学・物理をはじめとする科目に関して基礎学力の向上が必須であること、そのための産学連携強化に協力を惜しまないこと等の提言がありました。

 続いて、同プロジェクトの成果報告があり、豊木博泰工学部長から全体像、実施チームの担当者から4本柱の個々について、当初の計画どおりかそれ以上の成果が上がっていること、プロジェクト1期生の電気電子工学科4年生大長規浩さん、プロジェクト2期生の循環システム工学科3年生 小林佳那さん・内藤あずささん・内藤裕子さん・長澤麻理奈さんから活動成果、および大学教育研究開発センターの伊藤亜希子助教・日永龍彦教授から「学大将誕生に関わる評価」について報告がなされました。

 後半では、寺﨑昌男氏による「本当の『新しい学力』とは何か」と題し、従来の教授する側に立った教育から、今日では学習する側に立った教育が重視されるようになっており、さらに両者を循環することで独創的な学生が育つことの基調講演が行われました。

 引き続きパネリストとして、基調講演者に加えて板倉周一郎氏と風間善樹氏の4人と、プロジェクト実施チームの石井信行准教授・垣尾省司准教授をコーディネータとして行われ、まず、板倉氏からは文部科学省における理数学生育成に関する取組について説明が、風間氏は知ることと実行することをセットで進行することが大切であることを説かれました。

 討論では、パネリスト各氏から学大将プロジェクトに関して高い評価がなされました。また、理系教育に関しては各方面で議論と、種々の試みがなされていることの紹介があり、フロアからは、理数教育の裾野の拡大に関する要望や実践例、産学連携教育への積極的な協力の意思表明、インターンシップを積極的に行うことの効用、さらには保護者から御子息がプロジェクトに参加して大きく成長したことについての感謝が述べられました。

 シンポジウムを通じて「新たな工学部教育において学大将プロジェクトが果たす役割の重要性が明確になったことから、ぜひ継続すべき」という熱い期待が寄せられました。
 

 プログラム

■関連サイト:「統合能力型高度技術者養成プロジェクト―自発リーダー(学大将)を生む環境作り―」ホームページ

        https://www.eng.yamanashi.ac.jp/risu/index.html

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