流れの研究

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 本研究室では水や空気などの流体の流れを調べています.地上では空気に囲まれ,川や海中では水や海水に囲まれ,地球上にある限りどんな工業製品も流体の存在を無視できません.ところが,水や空気の流れは,感じることはできても見ることができません.水車や風車で流れがもつエネルギーを利用したり,車や船舶の移動に要する抵抗を減らしたり,空調で気流をコントロールしたりするには,調べたい流れを『作り』そして『知る』ことが必要です.流れを知る上で,流れを『見る』こと(可視化),流れの速さや方向を『測る』ことが重要です.研究室では,図1や図2に示すように,風洞や水路や使って空気や水の流れを人工的に作り,レーザーやCCDカメラなどを駆使して流れを見たり測ったりすることで,様々な流れを調べています.

 図1は水路の流れに対向して水噴流を噴出した流れを調べる実験です.噴出される水を蛍光染料水溶液とし,高出力レーザーをシート状に照射して噴流を可視化します.また,極微小な粒子を混入し,カメラでその動きをとらえて流れの速度を測ります.この測定法を粒子画像速度計測法(PIV)といいます.図2はレーザードップラー流速計(LDV)と呼ばれる計測器で,ドップラー効果を利用して流れの速度を測ります.図1の実験で得られた可視化結果を図3に示します.噴流は左から右に噴出され,水路の流れはその逆です.色の濃淡が濃度を表しています.図には速度の大きさと方向がベクトルで示されていて,噴流の流れと対向する水路の流れの関係が分かります.
 図4は水車の流れをコンピュータで計算した結果です.山梨県都留市に設置された上掛け水車,「元気君2号」を模擬して計算しました.コンピュータで流れを計算し,調べる手法をCFDといい,車や列車などのボディー設計でも主流になっています.上掛け水車のような小規模水車を利用した小水力発電は,最近話題となっている自然エネルギの利用に関係して重要性が高まっています.CFDで解析することで,大掛かりな実験設備を作る手間が省け,効率の良い水車の設計開発に役立てることが期待されます.
 『ドレナージチューブ』をご存知でしょうか.これは医療で使用されるチューブで,断面が円や長方形などいろいろな種類のものがあります.図5に示すような,側面に多くの小孔が開いている細いチューブを体内に入れ,そこから患部に溜まった血液などの体液を吸引し,体外に排出します.小孔の数や位置でチューブ内部の流れが変化し,それは吸引・排出の効率や凝固物による詰まりに関わりますので,注意深い調査が必要です.
 このドレナージチューブと関係した流れを調べるために,図6の実験装置を製作しました.断面の形が細長い長方形の管を作り,開放した片端から空気を吸い込みます.管の長辺側の側面にスリット状の孔を開け,そこからも空気が吸い込まれます.図7に示すように,スリット孔の数だけでなく,大きさや位置も変え,管内の流れや圧力を詳細に調べています.

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