メインテーマは「（熱）エネルギーの有効利用」です．エネルギーの利用効率を高め，機器等から排出される熱を利用することは極めて重要な工学的な課題と言えます．
　図１は，本研究室で開発している太陽光パネル用の受動的冷却システムの概念図です．太陽光パネルの「電気変換効率」は，温度が高くなるにつれて減少するため，春や秋よりも太陽光のエネルギー照射量が多い夏の発電量の方が小さいという問題点があります．そこで，太陽光パネルの熱を温度差のみによって生じる自然循環流で除去しようというのがこのシステムの特徴です．また，回収した熱は温水としても利用できるため，エネルギー利用率は高くなります．
　図２はパソコンのグラフィックボード（GPU）による多層流体シミュレーションです．GPUを用いることにより，高速な演算を可能になります．また，工学的な設計や災害時に利用できるシミュレータの開発にも取り組んでいます．
　これら以外にも，熱エネルギーの移動の様子を把握するための温度計測装置の開発にも取り組んでいます．