想定を超えた大規模な災害に対する防災の研究

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 地震などの自然災害に対しては,一般には過去に起きた災害に関する情報から将来の被害を想定し,国・都道府県・市町村といった単位で防災対策が検討されます.しかし,2011年東北地方太平洋沖地震は,約1000年に1度と言われるほどの大規模な地震で,これまでに経験したことのない,想定を超えた被害が広い範囲で生じることとなりました.

 このような,従来の想定を超えた大規模な災害に対しては,数値シミュレーションによる被害規模の把握,想定外の事象に対しても対応可能なシステムの構築,完全には防ぐことのできない都市被害を早期に復旧するための計画の策定といった対策が有効であると考えられます.

 こうした対策を進めていくために,東海地震に対する山梨県の被害予測の大規模な数値シミュレーション,想定外の地震動が生じても構造物の損傷を防ぐための耐震設計の考え方,地震時における山梨県の道路ネットワークの最適な復旧計画の分析といった研究を,大学外の研究機関と協力して行っています.

想定を超えた大規模な災害に対する防災の研究

図1.甲府市の地震被害予測シミュレーション

想定を超えた大規模な災害に対する防災の研究

図2.情報理論に基づく新しい耐震設計の考え方の提案