光計測及びその応用の研究

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 光は振動方向と進行方向がお互いに垂直な横波です。光波が媒質の中で進行する際、光波の振動方向により、光波の感じる屈折率が異なります。例えば、光波がXYZ座標のZ軸方向に進行するとき、X軸で振動する成分とY軸で振動する成分は異なる屈折率の影響を受けます。屈折率がどのくらい違うかは媒質の分子の並び方などによります。ガラスの場合はその違いが0で、水晶や液晶の場合はとても大きいです。光波の振動方向により、媒質の屈折率が異なることを、複屈折現象といいます。

 すなわち、一つの媒質が二つ以上の屈折率持っていることです。複屈折現象は、ときには、観察者に自然の美しさをプレゼントしたり、ときには、先端技術の分野で邪魔者になったりします。

 下図では、2つのクリップで2枚のガラスを固定しています。右と左のセットには異なる複屈折性試料がガラス板により挟まれています。これらの試料は普段透明に見えますが、2枚の偏光子の間に入れ、顕微鏡で観察すると、右図で示す、お花や雪山のような試料の内部構造が楽しめます。メガネも2枚の偏光子に挟んで観察すると下図のようにカラフルに見えるときがしばしばあります。すなわちメガネも複屈折を持っています。それはメガネを作り上げる時の応力により生じた複屈折です。複屈折は強く現れると、メガネの焦点調節が出来なくなるという大きい問題につながります。

 我々の研究室では、様々な試料の持っている複屈折をより正確に計測する方法を開発しています。また、試料により、外部環境によりどう複屈折が変わるかをリアルタイムで観測する必要があります。その必要性に応じたリアルタイム計測方法を開発しています。

光計測及びその応用の研究