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分子を超えた分子(超分子)の開発

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 大地に蒔かれた一粒の種は,光と水と二酸化炭素により芽を出し葉を伸ばし,一輪の花を咲かせ,やがて実を結び種を残す。無限に繰り返される細胞分裂は,一つの受精卵から何兆もの細胞の集合体を導き,一つの生命体を創生する。生命の営みは,複雑でありながら正確に繰り返される化学反応の上に成り立ち,生から死までの時を様々な反応が流れていく。その反応は,単なる分子同士の衝突による反応とは異なり,分子と分子が出会い相手を識別した後に進行する。酵素反応,抗原-抗体反応,DNAの二重螺旋の複製,細胞膜の物質透過等の生体反応では,反応前の分子間相互作用により高度な分子認識・識別を実現し,その結果,驚くほど選択的で効率的な物質・情報・エネルギー変換が実現される。自然の偉大さがここにある。

 このような自然界における生命現象を化学的,人工的に分子レベルで実現しようとする時,多種多様な分子を分子間相互作用により三次元空間の最適位置に配置し組織化させた「分子集合体」の創生が不可欠となる。ここに「超分子」が誕生する。超分子は,構成する各成分の協同効果・相乗効果により,まるで命を吹き込まれたかのように新しい機能を発揮する。

 研究室では現在,酵素のように特定の物質を捕捉すると色変化する超分子を開発している。例えば,環境ホルモンやダイオキシンに応答すれば環境検査薬として,薬物で色変化すれば競技後のドーピング検査試薬として利用出来る。これら物質に応答する超分子に対して,光や熱等の刺激に応答して色変化する超分子の開発も行っている。周囲の色に合わせて皮膚表面の色素細胞を微妙に移動させ色変化するカメレオンを手本にしている。光量を調整できれば調光メガネとなる。

 富士山,南アルプス,八ヶ岳に囲まれ,桃や葡萄,サクランボを育む山梨は,大自然に溢れている。自然のヒント溢れる山梨は,まさに新しい超分子を創り出すための最適空間であると言える。

分子を超えた分子(超分子)の開発

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