近年温室効果ガス排出など人間活動がグローバルな気候に与える影響が懸念されています．さらに，水災害の被害を減らす・水資源の確保を目指すためには，都市活動の活発化や農地における灌漑など，局地的な人間活動が豪雨や渇水に与える影響を考えた気象・気候予測も同様に重要になってくると考えられます．

　そのような局地的な都市活動や農地灌漑などを取り入れた数値気象予報モデル（物理学の方程式に基づいてスーパーコンピュータ駆使して気象・気候予測を行うプログラム）を開発し，それを日本のゲリラ豪雨予測や，日本・東南アジアの気候変動予測に役立てることを目指しています．さらに，開発した数値気象モデルから得られる高度な気象予測情報を基に，人工知能をはじめとする情報工学を併せて，雨の予測を土砂災害・洪水・渇水被害の予測につなげる方法についても同時に開発しています．

　それらのコンピュータとプログラミングを駆使した研究だけでなく，フィールドでの観測も行い，プログラムで予測した結果の信頼性を確認して，さらなる改良につなげることにも取り組んでいます．そのようにして改良した予測結果に，人工衛星による観測や社会科学の成果を取り入れながら，持続可能な都市・農業の発展を考えていきます