画像処理とARによる色覚補償

画像処理とARによる色覚補償

人間が受けるあらゆる情報の中に約80%は視覚に関係すると言われています.視覚において,重要な機能の一つである色覚は,網膜にある3種類錐体細胞で構成されます.これらの錐体細胞が異なる波長の光に最も反応することによって,様々な色を識別することができます.しかし,3種類の錐体細胞のうち1種類でも異常が生じたら,識別できる色の範囲が縮小し,色覚障がい(Color Vision Deficiency,CVD)が発症します.CVDの殆どは遺伝性であり,根治の手段は未だ発見されていません.CVDを持つ方では,色差が分かりにくくなり,コントラスト損失(例:黒い背景から赤い文字が読み取れない)等の問題で,生活の質(Quality of Life,QoL)が低下しています.一方で,高機能の携帯端末(スマートフォン,AR Glasses)の普及と深層学習モデルがベースとなる人工知能(Artificial Intelligence,AI)技術の発展によって,色覚を補償するアプローチも増えていると考えられます.本研究室では,CVD患者にもあらゆる色情報を獲得可能にさせることを目指して,画像処理とARによる色覚補償に関する研究を行っています.

画像処理とARによる色覚補償