水質・同位体の観測による地下の水資源の開発に関する研究
- 工学部 土木環境工学科担当
- 准教授 中村 高志
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私達が生きていくために欠かすことの出来ない「水」は、限られた地域に限られた量しか存在しません。残念ながら世界の多くの地域では水質の汚染や水資源の枯渇が深刻な問題となっています。地域の水資源の起源や水質を正確に把握することは、持続可能な社会を形成する上でとても重要な情報です。一方、山梨県の様に自然豊かな山々に囲まれ水資源が豊富な地域では、ミネラルウォーター生産、工業用水の利用、温泉を利用した観光など水資源が地域の産業を支えています。近年、地域産業の活性化のために水資源の新たな付加価値を創出することが期待されています。
私の研究では、水資源の汚染物質(特に窒素汚染)の汚染源やその後の動きを高感度で把握できる安定同位体観測を利用することで、迅速かつ的確な汚染対策の方法を提案するための情報を提供しています。また、地下の水資源の起源や動きを正確に推定することができる水の水素や酸素の安定同位体の観測により、産業や生活を支えている工業用水や水道水源の起源や水質の特徴を明らかにすることを行っています。さらに、近年注目されている山地内部の良質な地下水資源について、大規模な山地を有する山梨県やネパールで水資源開発のための基礎情報を得るための調査・研究を推進しています。