ヒトの聴覚・発話のメカニズムを理解し、 支援する技術の研究

No Image

我々はさまざまな音環境に適応して音を聞き分け,口を巧みに用いて多様な音声を発することができます.そうしたヒトの優れた聴覚・発話のメカニズムを理解するための研究や,聴覚・発話を支援するための技術の研究に取り組みます.

 

  1. 骨導音知覚とその応用に関する研究

 我々は骨や体組織の振動を音として知覚することができます.この現象を応用した,骨導ヘッドホンや骨導マイクロホンなどのデバイスがすでに市販されていますが,通常の(気導による)音の知覚とは異なり,ヒトの骨導音知覚現象のしくみはまだ十分に理解されたとは言えません.計算機を用いてヒトの骨導音知覚特性を解明する研究や,新しい受聴技術・デバイスをより快適に使用するための技術を研究しています。

例1.1:骨導音知覚により「耳を塞がずに騒音から耳を守る」研究

例1.2:骨導提示された音声を聴き取りやすくする技術の研究

 

  1. 「自分の声」のシミュレーションや発話支援の研究

 録音した自分の声を聞くと,ふだん聞いている自分の声とは異なって感じることがあります.これは、自分の声が骨導によって体の中を伝わり,自分の耳に届いているからです.骨導での音声伝達過程を理解し,その人自身がふだん聴いている「自分の声」をあらゆる人で再現できれば,新しい「没入型メディア」に応用することができます.計算機を用いた測定や感性評価の方法により,「自分の声」の聴感をシミュレーションする研究に取り組みます.

  2.1:「自分の声」をシミュレーションするための模擬骨導フィルタの設計

 

 また、「自分の声」を【聴く】ことと【話す】ことは,脳を中心として密接に関係しており,「自分の声」の聴こえが変化すると発話も変化します.ある人が発話した音声を,気導や骨導を介して操作を施しフィードバックすることで,発話を支援するための研究に取り組みます.

  例2.2:気導・骨導による遅延聴覚フィードバックが発話に与える影響の研究

ヒトの聴覚・発話のメカニズムを理解し、 支援する技術の研究

研究1図

ヒトの聴覚・発話のメカニズムを理解し、 支援する技術の研究

研究2図