音を中心としたメディア感性工学に関する研究
- 工学部 コンピュータ理工学科担当
- 教授 小澤 賢司
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マルチメディアといえば「映像が中心」と考えるのが一般的でしょう.しかし,コミュニケーションという観点からは「音が中心」なのです.このことは電話という音のメディアがあれば十分に会議ができますが,ジェスチャによる映像情報だけでは会議遂行は困難であることからも分かります.そこで,本研究室では聴覚による音の知覚を中心としたメディアに関する研究を行っています.
1.音空間や臨場感の知覚と制御:
私達は音だけでも3次元空間を感じ,さらに高次の感性である臨場感も感じることができます.これは両耳に到来した音信号を脳が解釈した結果です.逆に,両耳に与える音をうまく調整すれば,ヘッドホンを用いて音を聞いているにもかかわらず,コンサートホールのような3次元空間を高い臨場感をもって感ずることができます.このような聴覚における空間知覚に関する研究や,臨場感という感性の性質を解明する研究に取り組んでいます.
2.所望の音のみを選択的に録音する技術の開発:
高臨場感録音・再生を実現するための第一歩として,狙った音のみを録音する技術の開発を行っています.これは古くからマイクロホンアレイを用いることで実現されていましたが,本研究室ではマイクロホンアレイ出力を画像に変換して画像処理技術,さらに人工知能技術を用いることで格段の性能向上を目指しています.