超伝導体を用いた高性能高周波デバイスの研究

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 超伝導体は高周波において銅などの金属と比べて抵抗が2~3桁ほど低いことが知られています.そのため,超伝導体を用いた高周波デバイスは従来では実現できない高性能を実現することができます.我々は必要な周波数だけを取り出すことができる帯域通過フィルタ(BPF)に超伝導体を用いて高性能化を図っています.最近では,高速・大容量通信を実現するために,二つの帯域を同時に通過する新しいBPFの設計方法を提案し,それを用いたフィルタサブシステムを開発し,展示会でデモンストレーションなどを行いました(図1).
 また,近い将来実用化が期待されるワイレス電力伝送(WPT)に超伝導体を用いる新しい研究にも取り組んでいます.WPTは携帯電話や家電製品,電気自動車などに非接触で電力を供給する技術であり,電力を供給するためのコイルに低損失の超伝導体を用いれば,非常に効率よく電力を供給できるようになると考えられます.
 さらに,開発した超伝導コイルは微弱な信号を高感度で検出するためのコイルとしても使用できることから,MRIやNMRなどの信号検出コイルへの応用も検討しています.

超伝導体を用いた高性能高周波デバイスの研究

図1 展示会の様子

超伝導体を用いた高性能高周波デバイスの研究

図2 ワイヤレス電力伝送回路