溶射コーティング及び溶接加工

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1.溶射コーティングの研究
  各種産業機械は性能の向上が図られ、耐熱性、耐食性、耐摩耗性等のより厳しい環境条件で使用出来るようになりました。これに対応して、各種表面皮覆や表面改質技術の研究開発が行われています。なかでも溶射技術は、厚膜形成技術の中心的存在として、定着しつつあります。溶射は、図1に示すように、「粉末、線、棒状の固体(溶射材料)を「熱源」で加熱し溶融または半溶融状態にし、基材上に高速で衝突させて積層する膜形成法です。
  当研究室では、ジェットエンジン、カレンダーロール、橋梁などの各種産業機械に対して、溶射技術を用いて、①耐熱性を向上する研究、②耐摩耗性を向上する研究、③耐食性を向上する研究 を行って、産業機械の高性能化を図ることを目指しています。
  耐熱性を向上する研究の一例として、ガスタービン静翼への溶射と新溶射皮膜を図2に示します。エンジンのガスタービンの動翼・静翼は1000℃以上の高温にさらされるため、遮熱溶射皮膜(Thermal Barrier Coating:TBC)が付けられます。この溶射皮膜は一般的には、下地のボンドコート(MCrAlY(M:金属元素))を高速フレーム溶射し、その上にトップコート(Zr2O3)がプラズマ溶射されています。しかし、ガスタービン稼動中の熱や燃焼ガスなどの影響により、はがれてしまうため、寿命が短くなるという課題があります。そこで、私たちは従来法のTBCのボンドコートとトップコートの中間層に耐高温酸化性の優れた材料(MoSi2)を導入した3層TBCを開発して実用化する研究を行っています。

2.溶接加工の研究
  溶接加工に関する研究を行っています。現在は、自動車や車両車体製造用に、特に両面スポット溶接の基礎研究(ナゲット形状と引張強度の相関性)及び、片面スポット溶接システムの開発を行っています。片面スポット溶接機は、複雑形状の薄板構造物や部品、また狭い箇所でも適用可能で、非常に有効な溶接方法となります。図3は試作した片面スポット溶接機で、加圧力は最大150kgです。

3.金属3Dプリンタの研究
  金属材料を用いた産業用3Dプリンタ技術に関する研究を行っています。アーク溶接技術を応用することで造形速度が高く、強度も高いという特徴があります。図4は造形の様子です。

4.その他の研究
  機械の振動の研究も行っています。図5はモード解析によって、トラクタトレーラの振動を調べた一例です。振動の発生原因を調べ、その防止方法を考えたり、あるいは利用したりする研究を行っています。

参考文献:モード解析の基礎と応用、日本機械学会編

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図1 溶射技術の模式図

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図2 ガスタービン静翼への溶射と新溶射皮膜

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図3 片面スポット溶接機

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図4 金属3Dプリンタ

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図5 トラクタトレーラの振動モード