免震・制振装置を利用した構造物の振動制御

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 近代的科学が導入される以前において,地震に対して構造物を安全に作る方法は,主として勘と経験によっていました.明治以降になって科学的な地震の研究と構造物の耐震に関する研究が始まり,多くの地震被害経験と研究によって日本では現在,世界をリードする設計・施工方法を確立するに至っています.これまでの方法では,構造全体が地震による水平力に抵抗できるよう,柱,壁,梁などに十分な強度,剛性,靭性を付与させるという考え方に基づき,狭い意味で「耐震構造」と呼ばれています.

 一方,構造物を柔軟でエネルギー吸収性能に富む装置により支持することで,構造物に作用する地震力を低減する工夫も古くから考えられてきました.このような方法は,地震に耐えるというより,地震から構造物を分離し,地震の影響を制御する,というものであり「免震・制振構造」と呼ばれ,科学技術の進歩とともに1970年代後半から実用化されるようになってきています.免震・制振構造では,装置の力学特性により地震の影響を低減しているため,安全で信頼性の高い構造物を設計するためには,適切な性能を有する装置を利用することが必要となります.

 本研究室では,積層ゴム支承やダンパーに代表される免震・制振装置について,詳細な実験を行い,その結果を基に装置の性能を精緻に予測するための力学モデルの構築を主に行っています.

免震・制振装置を利用した構造物の振動制御

図-1 免震・制振構造の概念図

免震・制振装置を利用した構造物の振動制御

図-2 免震装置を導入した橋梁