ナノスケールでの電気・磁気特性の評価

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 極限環境における物質表面や極微材料の構造変化、電気特性変化をナノスケールで調べています。図中の観察像は、絶対温度5K、超高真空 (~10-10Torr)でのSi表面の様子を、原子間力顕微鏡(AFM)といわれるプローブ顕微鏡を用いて観察したものです。白く明るく見える輝点は、最も表面に突き出たSi原子 の一つ一つです。この観察像を得るためには、1nN(=10億分の1ニュートン)未満という原子と原子の間に働く極めて微弱な力(原子間力)を検出する必要があります。そのために、世界最先端の研究の多くは光てこ方式を用いていますが、この光が試料の電気・磁気的特性を変化させてしまうため、特性評価には不向きです。そこで、世界で初めて光てこを用いない方式の顕微鏡を開発しました。また他のプローブ顕微鏡技術と応用させれば、極微の対象(原子スケール~)に局所的に電気信号を入出力して測定することができ、ナノ構造(nmスケール)・ナノ応力(nNスケール)に特有な電気・磁気特性変化を解明できると期待されています。

ナノスケールでの電気・磁気特性の評価