最表面の電子スピンを見るための研究

最表面の電子スピンを見るための研究

      Question 電子スピンってなんでしょう?

      Answer それは磁石の正体です!

 物質最表面の原子は結合相手が居ません。だから電子が余っているんです。結合相手が居ない最表面では、物の性質が全然違います。新機能が隠れています。このような領域の電子を捕まえてスピン(自転方向??)を測れば表面の磁性を解明出来る、と信じて測定装置を造っています。しかしながら、最表面だけの電子のスピンを計測する技術や装置はまだありません。私達はこれを実現するために『世界にたった1つしかない電子顕微鏡』を造っています。

 表面の電子は、高速の電子ビームの照射によって叩き出したり、レーザー光を照射して叩き出したり、特殊な針をぶつからないように近づけたりと、色々な方法を試しています。出てきた電子のスピンを計測する検出器も市販されていないので、Mott氏の理論に基づいて造っています。測定は超高真空環境で行います。国際宇宙ステーションの軌道上よりもさらに1万分の1まで気圧を下げた特殊な環境です。部品を設計しては組み込み試し、ものづくりを楽しんでいます。完成まであともう一歩の実験装置を見てみませんか?

最表面の電子スピンを見るための研究