フッ素樹脂の微細加工に関する研究
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- 工学部 メカトロニクス工学科担当
- 准教授 平 晋一郎
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フライパンのコーティング材としてフッ素樹脂がよく使われているのは、この材料がプラスチックの一種でありながら、高い温度で使用できることと、ものを引っ付けない性質をもっているからです。この他にも、化学薬品に対して反応しないことや、燃えにくいこと、変質しないこと、人体に無害であることなどの特長があります。そこで、この優れた性質をあわせもつプラスチックを使って、小型化学分析装置の部品である“マイクロ流体チップ”を作ろうと考えています。これは、図1に示された微細流路などの構造が1辺数cm程度の基板上に作られ、その上にフタを貼りあわせて流体試料が漏れないように加工されたものです。微細流路で化学操作を行わせると、薬品や試料の使用が極微量に抑えられ、また混合や反応、検出、分離などが迅速に行われますから、たとえば血液検査などへの応用が期待されています。
この研究では、切削加工(工具を使って余分なところを削り取る)や成形加工(型を使って変形させる)などの方法によって、フッ素樹脂基板上に微細構造を高精度に作ることが目的です。写真1は、加熱状態で材料に型を押し付けることで、型に作られた微細構造を材料に転写する“ホットエンボス”という成形加工によって作られたマイクロ流体チップのサンプルです。
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図1 マイクロ流体チップの構造
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写真1 サンプル成形品 ※右上に見える黒い棒状のものはシャープペンシルの替え芯(直径0.5mm)