ナノ領域における光と電子の結合がもたらす新奇現象の物理
- 工学部 基礎教育センター
- 教授 石川 陽
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物質の性質を決める電子と電磁波の一種である光がナノメートルの世界で結び付くことでもたらされる新奇現象に潜む基本法則を、数学とコンピュータシミュレーションを使って解き明かす研究をしています。
【1】「光と電子から成る情報伝達システムの原理を探る」~近接場光を介した励起移動ダイナミクス~
近接場光と言う空間を伝わらない光を介して複数のナノ構造に閉じ込められた電子を結び付け、図(a)の連成振り子のようなナノシステムを作ることができます。これを応用することで、微小な世界における情報伝達の実現が期待できます。図(b)は情報が伝わる様子をコンピュータシミュレーションで調べた結果です。
【2】「電子が物質中を運動する様子を光で制御し観測する」~時空間量子キャリアダイナミクス~
近接場光を用いるとナノメートル空間での電子の運動を制御し観測することができます。これを応用することで、従来の電子回路などを越えた全く新しい原理で動作する機能素子の実現が期待できます。図(c)は物質中ナノメートル程度の空間を電子が運動している様子をコンピュータシミュレーションで調べた結果です。