工学部
工学部長メッセージ
工を学ぶということ ― 自然と社会、そして未来世代をつなぐ工学

工学部長 郷 健太郎 教授 (GO, Kentaro)
新入生のみなさん、工学部への入学を心から歓迎します。これからみなさんと同じ時間と場を共有し、ともに学び、活動できることを、学部を代表して大変うれしく思います。
多くのみなさんは、小さい頃からモノづくりに親しんできたのではないでしょうか。絵を描くことが好きだったり、自動車や機械、モノが動く仕組みに強い関心をもったり。あるいは、アニメやゲームの世界に夢中になり、ただ眺めるだけでなく、その世界にいる自分を想像したり、「自分でもこんなものをつくってみたい」と考えたりした経験があるかもしれません。そうした素直な好奇心や憧れは、工学を学ぶうえでの大切な出発点です。どうか、その気持ちを忘れずにいてください。
工学部では、モノやコトをつくる楽しさに触れる機会が数多くあります。しかし、工学の本質は、単につくる技術を身につけることにとどまりません。「工」という漢字は、上の横棒が自然や天の理、下の横棒が人や社会を表し、その間をつなぐ意味をもつ文字だと考えています。工学とは、自然を理解し、その知を人や社会の文脈の中で意味ある形へとつなぎ直す営みなのです。
ここで重要になるのが、他者や対象の立場に立って想像する力です。技術は便利さや効率をもたらす一方で、その影響は長い時間をかけて社会に広がっていきます。だからこそ、いま目の前にいない人々への影響までを想像することが、技術に関わる者の責任だと考えられてきました。本学部が掲げる「未来世代を思いやるエンジニアリング教育」において、「未来世代」とは、いまはまだ存在していない他者を意味します。直接声を聞くことのできない人々に思いを馳せ、その立場を想像し、共感しようとする姿勢が、これからの工学には強く求められます。
大学は、人が集い、自ら学び、知を分かち合い、まだ誰も知らない新しい価値をともに生み出す場所です。この工学部で、多くの仲間と出会い、試行錯誤を楽しみながら、大きく成長していくことを心から期待しています。
