マイハウスプラン
キャリアハウス(工学部1年生向けの内容説明)

健康と安全

2C

CO2 Free

担当教員・所属学科・職

担当教員 所属学科
北村 眞一(代表) 地域社会システム学科(生命環境学部) 教授
宮川 雅至(副代表) 地域社会システム学科(生命環境学部) 助教
武田 哲明 機械工学科 教授
豊木 博泰 電気電子工学科 教授
御園生 拓 環境科学科(生命環境学部) 教授
石井 信行 土木環境工学科 准教授
伊藤 一帆 地域社会システム学科(生命環境学部) 准教授
門野 圭司 地域社会システム学科(生命環境学部) 准教授
金 基成 地域社会システム学科(生命環境学部) 准教授
佐々木 邦明 土木環境工学科 准教授
島崎 洋一 地域社会システム学科(生命環境学部) 准教授
高橋 智子 地域社会システム学科(生命環境学部) 准教授
武藤 慎一 土木環境工学科 准教授

特徴

山梨県は3000メートル級の山々に囲まれ地理的には半閉鎖型であり、全国トップの日照時間、急峻な山とそこを流れる水、県土の78%が森林という自然特性は地球のミニモデルと捉えることができます。地球のミニモデルともいえる山梨県で、小水力、木質バイオマス、太陽光、太陽熱といった再生可能資源だけを利用して持続的に発展し、二酸化炭素を増加させない社会を「CO2 Free やまなし」と呼ぶことにします。

日々の生活では、自家用車中心の交通体系から公共交通機関の充実、企業や家庭における省エネルギーの推進、観光産業の低炭素化の取り組み、排出量取引や情報の共有の効果的な運用、KKK(環境、観光、教育)事業の創出、などによってCO2 Free やまなしを実現するシナリオづくりが始まりました。

これを世界の先進事例として情報発信し、実証の場として活用するためには、CO2 Free やまなしの必要性を理解し、それを産学官民の連携により実現していく必要があります。山梨大学の学生の中から、この取組のリーダになるような人材が育つよう「CO2 Free やまなし」キャリアハウスを創設しました。

キーワード

  • 持続可能社会
  • 地球温暖化
  • 再生可能エネルギー
  • 地球のミニモデル
  • CO2 Free やまなし
  • 情報共有
  • 交通体系の転換
  • 省エネルギーの推進
  • 観光産業の低炭素化
  • 排出量取引
  • KKK事業
  • 産学官民連携

習得できる知識・技能・精神

[ 知識 ]

  1. 持続可能な社会となるための条件
  2. 地域の再生可能エネルギー資源とその活用
  3. 省エネルギーのための方策とその効果
  4. 公共交通の役割
  5. モデルシステムを利用したエネルギーの最適配分
  6. 観光業における低炭素社会化の方策
  7. 異分野間の情報共有の方法
  8. インセンティブを与える排出量取引制度
  9. NPOの役割
  10. 社会転換のための地方自治体の役割

[ 技能 ]

  1. CO2削減の定量化の方法と情報化
  2. 人的・社会的側面からの実現率の推定方法
  3. 地域におけるエネルギー需給システムや関連データの解読
  4. 社会現象をモデル化するオペレーションズリサーチの手法
  5. 地域特性を踏まえたエネルギー環境教育の普及啓発の方法

[ 精神 ]

  1. 持続可能な社会を構築するために必要な考え方
  2. 持続可能性において中心的な位置を占める現代世代と未来世代の間の公平性の考え方
  3. 産業界・学界・行政の連携を成功させるための考え方

将来の展望

学生の皆さんが社会の中心的な位置を確保して活躍する10年から20年先には、社会構造としての持続可能性は必要不可欠な条件となっています。その時代に、社会をリードする人材を育てることが本キャリアハウスの目的の一つです。本キャリアハウスの経験を通して、冷徹な科学的思考力と豊かな感性を兼ね備えた人物として将来社会で活躍することが期待されます。

活動内容の概要

[ 1年次後期 ]

「CO2 Free やまなし」キャリアハウスでは、持続可能な社会の構築モデルとして、山梨県全域を対象にして、県内で使われるすべてのエネルギー資源を枯渇性資源から再生可能エネルギーへの代替すること、また不足分は省エネルギーで補う計画を推進する方法を習得します。具体的にCO2 Free やまなしを実現するためには、再生可能エネルギーや省エネルギーに関係する技術的側面と、それを現実の社会で実装していく人的・社会的側面の両面からの認識が必要です。1年次では、CO2 Free やまなしの基本的な考え方を理解し、理解した内容を他者に対して説明できるようにすることを目指します。たとえば、地域の子供たち(小学生や中学生)に、持続可能な社会とはどのような社会なのか、またCO2 Free やまなしとはどのような考え方による地域づくりなのかを説明できるようになることを目指します。

[ 2年次 ]

CO2 Free やまなしを実現していくためには、技術的側面と人的・社会的側面の両面からの理解が必要です。2年次では、技術的側面に関しては具体的なレベルに落としての学習を進めます。たとえば、再生可能エネルギー資源としての太陽光発電、小水力発電、木質バイオマス活用の熱供給、省エネルギー実現技術などについて、山梨県で実現するためにはどうすればよいのかを理論的な学習と現場での体験学習を進めます。人的・社会的側面に関しても、具体的なレベルでの学習としてのこのような取り組みを広く国内外の人々に体験してもらい、環境教育の場として利用することにより、持続可能な社会の形がどのようなものであるかを実感してもらう場として活用します。つまりCO2 Free やまなし実証の場は、観光と環境の教育教材として高い価値を持っているのでこれらを資源としてとらえ、新たなインストラクターや教育教材を生み出し、新産業として育てることにします。このような事業をKKK(環境、観光、教育)事業と呼ぶことにし、再生可能エネルギーの導入や省エネルギーの具体化とそこで利用される地域資源を活用してKKK事業を創設し、それを推進する方法について教授します。

[ 3年次 ]

地域の再生可能エネルギーの活用は単にエネルギーの活用として位置付けるのではなく、社会の中でいろいろな産業と深くかかっていることを学んで、持続可能な地域づくりの意味を理解することが大切です。たとえば、地域の自然特性を生かした果樹生産や観光業の振興と、地域の再生可能エネルギー資源の両方を有効活用するKKK事業を推進するためには、地域の特性を熟知し、それらを連携させ、新たな付加価値を生み出す必要があります。春には美しい花が咲き、夏には美味しい果実が実り、秋から冬には翌年の生産のために枝が剪定されます。これまでは生み出される付加価値として、実った果実を販売することが中心でした。しかし、春をめでる花を楽しみ、剪定枝からハウス暖房のバイオマス資源を作りだし、燃焼後の灰を肥料として大地の戻す仕組みを作ると、お花見と再生可能エネルギー資源の生成という、二つの付加価値を生み出すことができます。さらに、これら一連の取り組みを持続可能な社会づくりの教材として活用し、インストラクターを育て、セミナーを開催すれば、さらに多くの付加価値を生み出すことができます。「CO2 Free やまなし」キャリアハウスでは、この全体の流れを理解したインストラクターの役割を担える人材を育成します。

活動風景

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