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第29回サイエンスカフェ講演会を開催致します。

2013年07月29日

第29回サイエンスカフェ講演会を下記の通り開催いたします。

皆様の御参加をお待ちしています。

開催日時: 平成25年8月9日(金)16:00〜17:30
場所:工学部T1号館8階 サイエンスカフェ

講師: 上出健仁(かみで けんじ)

   ( 東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構 特任助教)

講演題目: 「半導体微小共振器系における光の量子状態と制御」

講演概要:
光微小共振器は,光を狭い空間に閉じ込める装置である.現在までに,DBR構造や光導波路,フォトニック結晶を用いて,光の波長程度の狭い領域への閉じ込めが実現され,閉じ込めQ値も日々更新されている.微小共振器半導体レーザーのような系では,閉じ込め効果により光が励起子と高効率に結合するため,光の強い非線形性が存在する.この非線形性に起因し,閉じ込めQ値や励起方法,強度など様々な可変パラメータにより多彩な光の量子状態が実現し得る.ここでは,半導体構造を含む微小共振器系において生じる様々な光の量子状態とその制御について議論したい.
本講演では,はじめに(i) 強結合励起子ポラリトン系で観測された励起子ポラリトン凝縮と半導体レーザーについて最近の理論・実験研究について紹介する.これらの結果を踏まえ,ポラリトン凝縮とレーザーの違いを明確にし整理したい.次に,(ii) ただ1つの少数準位系(量子ドットなど)が光と結合した共振器QED系におけるコヒーレンス (光の量子状態)の制御の理論について,(ii-a) 励起ダイナミクスに着目したものと,(ii-b) 結合共振器列において多体効果に着目したものを紹介する.

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