利水・治水・親水と水循環

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利水・治水・親水
 人間の体は70%程度が水でできています.水がなくなると生きていることさえできません.しかし,時にはカラカラ天気が続くことがあります.このような時でも,上手に水を使って生活を維持しなくてはなりません.これを,利水といいます.一方,集中豪雨によって,大洪水や土砂崩れが生起することがあります.豪雨が起こった時,人命や資産を守る術は古くから時の権力者の課題でありました.洪水から守ること,それを治水といいます.余暇やレクリエーションに海や川に向かうことは多いですね.水は人々の心を和ませます.これを親水といいます.

 

水循環
 私達の,水工学研究室では,利水・治水・親水を総合的に研究しています.そのためには,水の循環を深く知る必要があります.右の図は水の循環のおおよその様子を示したものです.大気の条件によって生じた雲により雨が発生します.地表に降る雨水は樹木などに一部遮断されますが,大部分は地面や水面に達します.地面に達した雨水は,地表面を流れたり土の中に浸透したりしながら,様々な経路をたどって川に流れ出て海に至ります.循環の過程では熱エネルギーのやり取りも盛んに行われるので,水循環の解明は水資源の確保のために必要なだけでなく,地球規模の環境を調べる上でも大変重要な課題です.

 

理論美
 水の循環を表現する理論は美しい.ダムや堰を越えた水は射るような鋭さで流下し,跳ね上がって穏やかな流れになります.この水の流れは理論的に求めることが可能です.しかしながら,水の循環を表現する理論は時として難解です.水工学研究室では,美しい理論を実際の現象に当てはめたり,逆に現象から美しい理論を導いたりして,サイエンスとエンジニアリングを融合した研究をしています.

 水をよく知るためには,現場を知らなくてはいけません.現場は,小説より,教科書より面白い現象を刻々と見せてくれる,実物大実験室です.我々水工学研究室は,富士川を主な対象にして,自然の大きさに敬意を表して,自然を知ることを目指しています.最近では山梨大学屋上に設置された最先端の降水レーダーを使って,富士川流域で洪水や土砂崩れをもたらす豪雨をより細かく正確に測ることにも挑戦しています.

 現場の膨大なデータ,難解な方程式,これらをまとめ上げるために最近ではコンピュータを多用するようになりました.コンピュータを使うことで,理論的には解くことが困難な方程式を数値的に解いたり,天文学的な,いや水文(すいもん)学的な数のデータの統計値を算出したりします.洗練されたコンピューターメディアの応用から,計算機もネをあげる力業(ちからわざ)のゴリゴリ計算まで,コンピュータの利用によってこれまで見ることができなかった現象を見たり,想像するしかなかった物事が明確になったりしました.

 水工学研究室ではこのような,理論・現場・計算のあらゆる面から水を研究しています.水工学研究室,それは皆が安心して水とともに生活するために,水に学び,水を考え,水を知る研究者と学生の集う場です.

 

利水・治水・親水と水循環

地球上の水の循環

利水・治水・親水と水循環

利水・治水・親水と水循環