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熱触媒作用による被覆チタニア充填剤の開発

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 光触媒として実用化が進み、太陽電池の材料としても注目されている酸化チタンは、実はとても働き者です。チタニアと呼ばれて、高速液体クロマトグラフィ-(HPLC)の充填剤としても働いています。HPLCは、二十世紀初め、ロシアの植物学者であるM.Tswettが考案したもので、この方法をChromatographyと名付けました。ギリシャ語のchroma =color(英)とgraphein=write(英)との合成語です。日本では、色相分離分析法として紹介されましたが、現在ではクロマトグラフィ-という語が使用されています。M.Tswettは、ガラス管に炭酸カルシウム(充填剤)を詰め、その上端に植物の葉からの抽出液(溶質)を添加した後、石油エーテル(移動相)を注ぎ込んで、4種類の色素を分離することができました。本研究室では、上記の充填剤チタニアを用いて、どのように溶質を分離するのか、溶質移動相をいろいろ変えて、その働きを研究しています。

 また、チタニアは、熱触媒作用によって、吸着している有機物を加熱によって着色し、更に高温で加熱すると脱色して元の白色に戻ります。つまり、チタニア表面の着色は吸着物質が重合するためで、脱色するのは重合物質が分解されるためであり、この着色や脱色をチタニアが促進しているのです。そこで、この作用を有効に使うことで、もっと広くチタニアをHPLC充填剤として普及できないかと考えています。チタニアは加熱すると表面に吸着したものを重合し、表面を重合物質で覆うことができので、いろいろな有機物を被覆したチタニア充填剤を得ることができます。また、脱色して元のチタニアに戻ることから、チタニアの再利用も可能です。被覆チタニアの保持挙動を検討することで、被覆によって早く溶出するようになる溶質は、被覆物と同様の保持サイトを持つことが考えられ、チタニアの保持サイトの解明もできるのではないかと考えています。

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