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炭酸ガスレーザー超音速マルチ延伸法によるナノファイバーシート作製に関する研究

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 炭酸ガスレーザー超音速マルチ延伸法は、繊維径1μm(0.001mm)以下の繊維(ナノファイバー)から成るシートを作製する方法です。この方法では速い空気の流れの中(超音速流中)で、繊維に炭酸ガスレーザーを照射して、繊維を融解させ、融けた繊維を超音速流中で引き伸ばす(延伸)ことで、繊維を細くすること(極細化)ができます。極細化の方法には、溶剤を使用するエレクトロスピニング(ES)法がありますが、本方法は①溶剤を使用せずに、②様々な高分子材料(ポリエチレンレテフタレート、ポリ乳酸やフッ素系樹脂など)に適用でき、③原理が比較的簡単であるために量産化も可能であるなどの特徴を有し、他の方法に比べて優れています。

 本研究では、炭酸ガスレーザー超音速マルチ延伸法をイソタクトポリプロピレン(iPP)繊維に適用し、ナノファイバーシートを作製しました。iPPは耐薬品性に優れ、高い材料強度を有し、安価であるため、リチウイオン電池セパレーターやフィルターとして広く利用されています。しかし、iPPは溶剤に溶け難いため、ナノファイバー作製法の主流であるES法を適用できません。図1はiPP繊維がナノファイバー化されている様子を高速度カメラで撮影した写真(500倍)です。写真の左側からレーザーが照射されているため、延伸部分は非対称ですが、連続的にナノファイバーを作製できます。図2は得られたナノファイバーシートの走査電子顕微鏡写真です。このシートの平均繊維径は350nm(0.00035mm)で、均一な繊維径です。

炭酸ガスレーザー超音速マルチ延伸法によるナノファイバーシート作製に関する研究

図1 高速度カメラで撮影したiPP繊維の延伸部分の写真(x500)

炭酸ガスレーザー超音速マルチ延伸法によるナノファイバーシート作製に関する研究

図2 iPPナノファイバーシートの走査電子顕微鏡写真 (x10,000)

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